伝統工芸としての堺打刃物 小学校5年の社会の勉強に使います。伝統工芸としての堺打刃物を守って行く上で苦労されていることは?またその対策として考え実行されていることをおしえてください。
後継者不足です。堺で後継者の職人は数えるくらいしかいません。でも、就職希望者がいても.受入先が無いのも事実です。スーパーではカット野菜や調理された魚などが売られているのですから、昔に比べて和包丁の需要はとっても少なくなっています。一般家庭で包丁ばなれしているのです。
「堺打刃物」の長い伝統を守りつつ、その中から現在に受け入れられる新しいものを作ることも大切でしょうね。切れ味はもとより、新しいデザインも大切なことだと思います。でも、日本の食文化・生活の中から作られてきた多くの包丁の種類を使い手と共に守っていくことも大切であると考えます。
こんにちは。堺の刃物に興味がある社会人です。僕は、包丁職人に憧れています。どうすればなれますか?
質問が簡単なようで、難しい質問ですね。簡単に答えれば、「職人」になるには「修行」が必要です、堺の庖丁職人について10年ほど修行すれば堺の庖丁職人になれるでしょう。ただ、堺打刃物は分業です。鍛冶職人になりたいのか、研ぎ職人になりたいのか。そこの部分がわかりません。「庖丁職人」であれば「堺」でなくてでも良いのかという部分もわかりません。いずれにせよ、見学されるのが一番良いと思います。見学を希望されるならメール下さればお返事します。また、堺には「まちかどミュージアム」と言うのもありますから、それを利用して現場を見学されるのも良いかもわかりません。
包丁にも出刃包丁や薄刃包丁などいろんな種類がありますが、一人の職人さんが数種類の包丁を作るのですか?それともそれぞれに専門の職人さんがいらっしゃるのですか
いろいろです。
1~2種類を専門で作る人もいれば、一人で副数種作る人もいます。製作するもので使用する機械が微妙に変わってくるのです。基本的に堺の鍛冶屋は、出刃屋/もろ刃屋/薄刃屋に大別されます。出刃屋は出刃、江戸裂き等厚物を、もろ刃屋は菜切り、寿司切り、中華包丁等の 両刃のものを、薄刃屋は柳刃、薄刃、等あまり厚みのないものをかなり広範囲のものを作ります。但し、これは得意だということでほかの物は出来ないということではありません、他に薄物屋といって特に薄い裁ち包丁の専門家もありましたが需要がなくなり専門にする所はなくなったようです。
伝統の堺の包丁ですが,江戸時代に押されたと言う「堺極」って、どんなデザインだったのでしょうか?また、包丁のどこに押されていたのでしょうか?今でも残っているものがあるなら、ぜひ見てみたいなぁと思います。
デザインは角の丸い矩形の中に縦書きの漢字で堺極、と入っています。打刻の位置は表の平のはずです、打ったものを見たことはあるのですが完品でなく、傷物にいろいろな刻印が打ってありましたので正しいとは断言できません刻印そのものを見たことがあります、江戸時代からつずく某刃物屋さんに現存しています。
はじめまして。庖丁について興味を抱き始めた者です。ところで、ネット上には、庖丁の販売サイトが無数にありますが、その中で、”本鍛錬”云々と銘打った庖丁をたびたび目にしますが、これは本霞という構造を指す物なのでしょうか?それともほかに特別な意味があるのでしょうか?よろしくお願いします。
堺打刃物では「本焼きの包丁」は切れ刃の部分を「木砥仕上げ」(手木砥仕上げ)とするのが一般常です。「合わせ鍛えの包丁」は切れ刃の部分を「霞仕上げ」(砥石・砥石の粉で白く霞の様に仕上げる)のが一般常です。ゆえに、霞・本霞とは合わせ鍛えの包丁と考えて間違いではありません。ただ、「霞」というのは研ぎ仕上げのひとつの技法のひとつです。 一般的に本職の板前さんに「これは霞か?」「これは本霞か?」という質問をよく受けます。正行さんの書かれているように並霞/中霞/上霞/本霞とあるのは確かです。でも、これこそ販売する上で、そのお店での包丁のランク付けの呼称と考えてもらって結構です。そのお店で、一番良い霞の包丁が「本霞・上霞」。次に「中霞」・・・「並霞」。となっていくのですから。ということは、あるお店の「中霞」の包丁が、別のお店に行けば、「本霞」ということもあるのです。
初めてメールをします。私は塾を経営していますが、塾生さんのお父さんが料理屋さんをなさっておられまして、柳刃包丁のことを正夫と書いてなんと読むのか又なぜそう呼ばれるようになったのか判れば教えて欲しいと頼まれまして、本日アクセスさせていただきました。読み方はしょうぶと知りました。理由がわかりましたら、教えて下さい。よろしく御願いします。
柳刃包丁のことを「正夫」(しょうぶ)「正武」(しょうぶ)といいます。もともと「柳刃」は関西型の刺身包丁でありますから、「柳刃」というのも「正夫」に似た呼称だろうと思います。わかるかと思いますが、「柳」・「正夫・・・菖蒲」。その先の尖った細長い形から、柳や菖蒲の葉に似ていることからそう呼ばれたと一般的に思われます。
包丁の登録商標の銘が切られた包丁を人からいただいて、使用していますがとても使い易いので、もうひとつ手に入れたいのですが、製造先販売先が分かりません。ご存知の方がいらっしゃりましたら教えてください。
ちなみに、https://www.j-platpat.inpit.go.jp/のホームページで簡単に閲覧できます。まずは、特許情報プラットフォームのページでお調べください。
魚釣りをする私は自分の包丁(左利き)を持っていますが、使い方が悪いのか、刃こぼれ等をします。仕上げ、中削り、荒削りの砥石を購入したのですが、砥ぎ方がよく解かりません。砥ぎ方教室みたいのがあれば受講したいのですが…。
特に、研ぎ方教室を定期的にはしていません。ただ、土曜日・日曜日には堺伝匠館に研ぎの組合員が交代で実演をやっておりますので、その時に研ぎ方を聞いてもらって結構です。気軽に聞いてみてください。
包丁の素材についてお伺いしたいのですが、一般的に青鋼と白鋼とでは、どちらが硬く、高価なのでしょうか。ちなみに日本刀には鋼はどんな種類をつかっているのでしょうか。
一般に青鋼、白鋼と云っていますが正確には、日立金属安来工場で作られている、刃物鋼のヤスキハガネ白紙、青紙と云います。
白紙鋼は1~3号、青紙は1号2号とスーパーが有ります、各号数は炭素量を現し1号は1.2~1.4% 2号は1.0~1.2% 3号は0.8~0.9%含んでいます。硬さは炭素量に比例しますので同じ号数ならば硬さも同じです、高純度の炭素量1%以上の鋼は焼き入れが難しいので白紙1号.2号に0.3~0.5%のクロームと1.5~2%のタングステンを添加して焼き入れ性を向上させたのが青紙です、青紙スーパーは炭素量1.4~1.5%の青紙にタングステンを1%増やし0.4%程度のモリブデンとバナジュウムを添加したものです。合金元素が高価なので青紙の方が鋼材も製品も値段は高いです。
日本刀は砂鉄を木炭で還元、精錬した和鉄が原料です、たたらで作った玉鋼が多く使われますが、砂鉄から鋼や銑を自家製鉄したり昔の古鉄から鋼を作り、作刀している刀匠も多くいます。
砥石の変形を直すにはどうすれば良いですか。
コンクリートブロックの上に少し金剛砂と水をまいて、砥石の面を直したりします。また、ガラスの上に金剛砂と少し水をまいて砥石の面を直します。市販で砥石の面を直す台みたいなのも販売しています。砥石が2枚あるか、面直し用の砥石があれば、普段使っている時からこまめに、砥石同士を擦り合わせています。包丁を研ぐのもそうですが、砥石の面を直すのも、普段から気をつけてこまめにするほうが楽ですよ。
「堺打刃物」「堺刃物」は堺刃物商工業協同組合連合会の登録商標です。
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